運命とは必然なもの

02


彼は一体誰?

彼女は一体誰?








俺にとって彼は近いようで遠い人

俺にとって彼女は正反対の存在








その時の俺は相手がどのような人物なのか知らなかった








「おい!ラッセル!!てめぇの昨日の罰ゲームのお陰で俺は酷い目にあったんだぞ!!」
エドは授業が終わり図書館に行こうと中庭を歩いていると前方に昨日の事件の元を作った人物がいたのでつかみかかった
「やぁ、エドじゃないか。相変わらず小さいな。」
「小さい言うな!!それより!お前が昨日俺にスカートなんかはかせるから俺は昨日変な奴に声を掛けられたんだぞ!!」
「えっ?姉さんどういうこと?」
ラッセルの隣にはエドの弟であるアルフォンスがいた。ラッセルというのはアルの同級生で同じ医療学科に所属しているラッセル・トリンがムという。
「どうもこうもあるか!昨日ラッセルと本をどっちが速く読めるか競ってたら俺が本に集中しちまって負けたんだよ!そしたらその罰として俺にスカートをはかせたんだよ!!着替えた俺の服はいつのまにかなくなってたし、仕方ねぇからそのまま帰ったら変な男に声かけられたんだ!!あー、今思い出しても虫唾が走るぜ!!」
「もう!姉さん気をつけてよ!!姉さんは女の人で可愛いんだから。」
「俺は可愛くねぇ!」
エドが叫んでいると、丁度3人の近くを通りかかった4人の女の人の話が聞こえてきた
「ねぇ、あそこの校門にいた男の人すっごくかっこよくなかった?!」
「あたしなんか声かけられちゃった!!」
「ええ〜!!いいなぁ!!」
「でも、誰か待ってるみたいじゃない?」
「あそこで待ってるってことはうちの大学の人よね?」
「えー!羨ましい〜!!私も待ってもらいたいー!」
「あんたは彼氏持ちでしょ?」
「まぁね〜!」
「うわ〜むかつく〜!」
4人が通りすぎるのと同時に3人が校門のところ目をむけると、確かにそこには1人の男が立っていた
「あ・・・。」
「エド?」
「姉さん?知ってる人?」
「昨日助けてくれた人・・・。」
エドがポツリというと校門にいた男はゆっくりこちらを向いた
そして目が合った
「エドワード・エルリック!」
叫ばれた本人はびっくりした顔をして固まった
回りは叫ばれたエドと叫んだ男に注目した
エドは回りの視線が耐え切れなくなった
「ごめん、アル!ラッセル!」
「あっ!エド!」
「姉さん!!」
2人が声を掛けたが振り返らずに走っていってしまった








「あんた、昨日の人だろ?なんで此処がわかったんだ?」
「これだ。昨日落としただろ。」
そう言って取り出したのはエドの学生証だった
「あっ!ないと思ってたら落としてたのか。悪かったな、わざわざ。」
「いや、別にいい。」
「今から暇か?お詫びにコーヒーでもおごるよ。」
「女性におごらせるわけにはいかないよ。」
「気にすんなって!ほら行くぜ!」
エドは男の手を引っ張り歩き出した








これが運命だというならばなんてひどい運命なんだろう








俺達は出会うべきではなかった








親しくなるべきではなかった








運命は時として残酷なものになる








でも、この出会いを後悔するつもりはない








出会わなければならなかったんだ